京都でのセミナー

セミナー内容

解雇・退職に関する最新の動向

本日は京都で解雇・退職に関するセミナーを受講していきました。
今回は弁護士の講師の方より解雇と退職の動向と最新の判例情報を聞かせていただきました。

労働紛争の状況

平成22年 平成23年 平成24年 平成24年(京都)
総合労働相談 1,130,234 1,109,454 1,067,210 27,373
民事上個別労働紛争相談 246,907 256,343 254,719 6,955
助言・指導 7,692 9,590 10,363 134
あっせん申し立て 6,390 6,510 6,047 129
労働委員会あっせん申し立て 397 393 338 12
労働審判新受件数 3,375 3,586 3,719 61
労働訴訟新受件数 3,127 3,170 3,358 149

全国平均では労働審判の方が労働訴訟よりも件数が多くなっているが、地域を京都に限ると労働訴訟の方が件数が多くなっています。
この件数の差は京都の方は労働審判よりも訴訟を行う率が高いことを示しています。
※労働審判とは
労働審判は原則3回以内で結果が分かり、労働審判の結果に納得がいかない場合には訴訟に移行することが多いです。

さらに最近の労働問題の傾向として、ハラスメント事案が急増しています。
平成24年の総合労働相談件数においても「解雇」を抜き「ハラスメント」が相談内容でトップになっています。

【判例】ベネッセコーポレーション事件(東京地裁立川支部判H24.8.29)

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当時マスコミをにぎわせた「追い出し部屋」の問題の参考になる判例です。
この判決により従業員に対する人事評価及び、人事配置についての会社の裁量がどのような場合には違法となるのかの具体例を通してみることが出来ます。

事件概要

通信教育大手のベネッセコーポレーションの女性社員は2009年の春に人事を担当する人財部の中の「人財部付」と言う部署へ異動を命じられました。
人財部付での待遇として
◆年収200万減
◆名刺を作ってもらえない
◆社内就職活動以外は単純作業
◆電話には出ないように指示
◆配属先見つければ【D評価】、見つからなければ【E評価】
この様な環境下での就労を命じられました。
そして新たな配属先が見つからなかったのでその後、「人財部業務センター」に配転を命じられました。

人財部業務センターでの待遇は
◇単純作業
◇社内LANへアクセス不可
◇社内名簿にはセンター名及び氏名記載なし

会社はこの様な就労環境を「再教育」と主張しましたが、それは名ばかりで「人財部付」は実質的に退職勧奨の場「追い出し部屋」としての疑いがあり、女性社員は追い出し部屋の存在自体が違法であり雇用契約上の義務はないこと、さらに降級後の差額賃金および遅延損害金の支払いを請求しました。

判決

一審の判決で全面勝訴し、その後会社と和解を行いました。

この判例では会社としての人事権はどこまでが裁量の範囲と言えるかと言う部分と社内就職活動と言う実態に触れている判例です。

いかがでしょうか?
良く例に上がる判例なので事件の争点はわかりやすいかと思います。
しかし、仮に自分がこの様な境遇になった場合には訴訟を行い、自分の権利を主張することは多大な体力と精神力を要するとすごく大変なことです。

会社には正当に行使できる「人事権」はありますが、やはりそれを逸脱する場合には違法になります。

今回は1例のみのご紹介ですが、今後も実際にあった事例を元に分かりやすくご紹介させていただきます。