未払い残業の危険性

未払い残業は本当に危険です!

 

ある日、先月辞めた従業員Aさんから連絡があり、「社長、働いていた過去2年分の残業困っている社長代をください。」と・・・。

その従業員は在籍しているときには営業社員として朝9時から夜の8時ころまで毎日働いていました。
給与は以下の通りです。

◆ 基本給:250,000円
◆ 役職手当:50,000円
◆ 家族手当:10,000円
◆ 通勤手当:10,000円

総合計:320,000円です。
この様に決して安い給与額ではありませんでした。

未払いの残業代はいくらになるでしょう?

答えは過去2年分の請求額合計で約220万円です!

会社としては、「営業社員なんだから残業代なんて考えていない」と考えてたようです。
しかし、一度このように請求されると会社は弱い立場に立たされます。

未払い残業への対策方法は??

どうすれば、未払い残業で従業員や元従業員から請求されずに済むのでしょうか?
結果から言うと、正確に残業代を支給する事につきます。

先ほどのAさんの場合はいかがでしょう?
毎日2時間の残業(月に直すと40時間程度)の残業代を支払うと毎月残業手当で約9万円必要です。

今の給与に9万円も加算して払うことはできない!
もちろん、そうです。
でも、問題が起こってからでは遅いんです。出来るだけ早く対策を立てないといつまでもこの問題は解決せずに潜んでいます。

就業規則を変更し対策を行う

未払い残業への具体的な対策方法で一番効果があるのは就業規則の変更を行うことです。
会社では、従業員の給与を決める方法を就業規則に書いているので、その就業規則事態を改定し未払い残業の状態を正しい状態へ変更します。

定額残業制度を組み入れる

就業規則の賃金規定を改定し、定額残業制度を新規に組み入れることにより総支給額を出来るだけ変えずに、未払い残業のリスクを低くします。
定額残業とは、事前に見込の残業時間を決めておき、その時間に達するまでは定額の残業手当を支給するものです。
しかし、当初見込んでいた残業時間を超えて従業員の方が残業した場合には超えた時間分の残業手当が必要です。

残業を申告制に変更する

会社の従業員の方がどのような仕事のために残業しているのかを上司の方は把握していますか?
もちろん、仕事なので納期に遅れることはできないですが、明日の朝にやればよい仕事を残業時間にやっている可能性はありませんか?
残業を申告制にすることにより、「どのような業務で」、「何時間必要か?」等を従業員の方に申告してもらいます。
そのうえで、上司の方が必要と認めた部分については残業をしてもらう言う制度です。

⇒就業規則について詳しくはコチラ

就業規則変更のリスク

◆就業規則を変更し定額残業制を導入する
◆残業を申告制に変更する

この2つは未払い残業対策には非常に有効な手段ですが、リスクもあります。
それは、「将来へ向かってのみ適用される」と言う部分です。

就業規則は「平成○年○月○日から施行します」の様にその時点から将来へ向かっての規定の変更を行うことが出来ます。
ですから、過去の部分については変更は適用されません。

定額残業制を導入する場合も、従業員の方にとっては不利益な変更となるので、十分に説明を行い合意書を取っておく方が賢明です。

残業申告制では上司の方の判断により決まる部分があるので、会社としての考えの統一や残業に対する「黙認」があってはいけません。

この様に、今ある残業問題を解決するためには多くの時間と労力、そして従業員の方の理解が必要になります。
しかし、今後「新規出店を考えている」や「従業員を増やす予定がある」と考えておられる会社では少しでも早い時期に、従業員が少ない時期に対応を考えることをおすすめします。

ここでご紹介した方法以外にも、未払いの状況を無くす方法はあります。
しかし、すべての方法においてリスクはあります、しかし、今後の会社の事をお考えの経営者様であれば変更する必要性を考えて頂けると思います。

残業に関する疑問や心配がありましたらどうぞお気軽にご連絡ください。

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